政治ドットコム経済MMT(現代貨幣理論)とは?メリットやデメリットを簡単解説

MMT(現代貨幣理論)とは?メリットやデメリットを簡単解説

投稿日2021.2.26
最終更新日2021.02.26
この記事の監修者
山口和史
20年にわたって法律、税務、経営等の業界専門誌の編集長を歴任。
2020年から政治ドットコムの理念「政治をもっと身近に。」を実現するため、編集長に就任。
独自の視点と切り口で、政治にまつわる最新情報を発信する。

MMT(現代貨幣理論)とは、「自国通貨を発行できる政府は、インフレにならない限り、大量の国債発行をある程度許容する」といった特徴的な考えを持った新たな経済理論のことを指します。

「国債の発行は、国の赤字が増えるから好ましくない」といった内容のニュースを耳にしたことがあるかもしれません。

しかしMMT(現代貨幣理論)では、国債によって自国通貨を増やすことで、国民の生活を豊かにする可能性があると肯定的に考えるのです。

このようなインパクトのある考え方から、MMT(現代貨幣理論)は大きな話題を集めているのです。

そこで今回は

  • MMT(現代貨幣理論)の概要
  • MMT(現代貨幣理論)のメリット
  • MMT(現代貨幣理論)のデメリット

などについてご紹介させて頂きます。
本記事がお役に立てば幸いです。

1、MMT(現代貨幣理論)とは

MMT(現代貨幣理論)
MMT(現代貨幣理論)とは、「自国通貨を発行できる政府は、インフレにならない限り、大量の国債発行をある程度許容する」といった主張を持った経済理論です。

大量の国債発行によって、自国通貨(お金)をたくさん確保し、そのお金を公共事業などに回すことで、より国民の生活を豊かにできると言われています。

このMMT(現代貨幣理論)は、ステファニーケルトンらによって提唱されました。

2、MMT(現代貨幣理論)のメリット

MMT(現代貨幣理論)には以下のようなメリットがあると言われています。

  • インフラ整備の拡大
  • 社会保障の充実
  • 雇用の増加

それぞれについて見ていきましょう。

(1)インフラ整備の拡大

MMT(現代貨幣理論)ではインフレが起きない程度に、国債発行に伴う自国通貨を大量に増やすことで、インフラ整備に必要な財源を簡単に補うことができると言われています。

これにより、なかなか進みづらい土地開発や道路の修繕といったインフラ事業を積極的に推し進めることができると考えられているのです。

インフラ事業を拡大することができれば、Society5.0などのAIやビッグデータを駆使した、より未来的な都市づくりへの取り組みも活発化するかもしれません。

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(2)社会保障の充実

また、MMT(現代貨幣理論)では消費税などの税収を大幅に増やさずとも、社会保障にかかる費用を比較的容易にまかなうことができると言われています。

国民に大きな負担を掛けずに、昨今課題と言われている年金や児童手当などの社会保障制度について迅速に対応できると考えられているのです。

社会保障が充実すれば、より多くの国民が豊かで安心できる社会を実現できるようになるかもしれません。

(3)雇用の増加

インフラ整備などの公共事業が活発化すれば、雇用の増加も期待できると言われています。
MMT(現代貨幣理論)では、「就業保証プログラム」という制度を推奨しています。

就業保証プログラムとは、誰でも一定の賃金水準で就業ができるように、政府がサポートするという制度です。

こうした取り組みにより、景気が好ましくない状況であっても失業者などを大幅に減らすことができると考えられています。

3、MMT(現代貨幣理論)のデメリット

MMT(現代貨幣理論)

MMT(現代貨幣理論)には、ハイパーインフレの危険性があると言われています。

国債発行に伴う大量の通貨発行により、お金が市場に過剰供給されると、ハイパーインフレに繋がる危険性があると言われています。

ハイパーインフレとは、物価上昇による貨幣価値の下落を止めることができないほどの激しいインフレ状態を指します。

もしハイパーインフレが起きれば、ラーメン1杯が100万円になるといった事態も起こるかもしれません。

かつてハイパーインフレに陥ったジンバブエでは、2009年に100兆ジンバブエ・ドル紙幣が発行されたほどでした。

ただMMT(現代貨幣理論)では、政府が大幅なインフレが起きないように、課税などで財政支出を適切に調整すれば大きな問題にはならないと考えられています。

しかし、大量発行した貨幣をコントロールすることは非常に難しいのではないか、という意見もあり、様々な議論を呼んでいるのです。

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まとめ

MMT(現代貨幣理論)とは、現代貨幣理論とも呼ばれる新たな経済理論で、従来の主流派経済理論とは大きく異なります。

世界中の経済学者や評論家、政治家の間で話題の経済理論ですが、日本の政府関係者はMMT(現代貨幣理論)に対して慎重な姿勢を取り続けています。

今後の動向が注目されます。